カイゼン研究会のパートナーであり、HRP(ヒューマンリソースパートナー)日中異文化経営コンサルタントとして、フリーランスで活動している金です。
私は日本生まれ日本育ちの華僑第3世で、中国で1990年代後半から活動をしています。
中国における経営・事業・組織・人事・マネジメント・コミュニケーションを含め、日々気づいた事をこうしてメルマガで発信させて頂いております。
【離職する理由】
社員が倍の賃金で転職をした・・・
機嫌よく仕事をしていると思ったのに社員が突然離職をする。
中国における経営の現場では日常異茶飯事です。
転職をする社員。
留学をする社員。
賃金が低いとやめていく社員。
会社を離れる理由は様々です。
賃金や福利厚生、上司や同僚との折り合いを含む人間関係。
もちろんそれは大きな理由のひとつではありいろいろな要素が複雑にからみあって退職にいたります。
【本当の理由は発展空間】
「発展空間」という言葉を聞かれたことはあるでしょうか?
経営の現場において「発展空間がないので・・・」という理由で退職していくことはあまりありません
(全くないとも言えませんが)
前述した賃金や人間関係、家族の事、一身上の都合など一見そうだと思えるような理由が並べられています。
果たして本当でしょうか?
転職を考える理由としてもちろん賃金や人間関係は上位の理由として挙げられますが、本当の理由は「発展空間がない」だと思っています。
「発展空間」とは入社して自分が成長できる環境や制度がどれくらい整備されているのか?
入社後のキャリアプランを含む自分が成長できる空間はどれくらいあるのか?
またそのバックアップ体制はいかなるものなのか?
ということになります。
会社の将来性や事業戦略も個人の発展空間には密接に関わってきます。
【個人を軸としたキャリアデザイン】
中国における発展空間は個人を軸としています。
学んできたスキル、経験してきたキャリア、積み重ねた知識を含む現在の自分と未来の自分に対するキャリアデザインにおいてどれだけサポートを受けることができるのか?
どれだけ活躍出来そうなのか?
がポイントになります。
認知度の高い有名企業であっても発展できる空間が狭いと感じれば転職を考えます。
逆にあまり世間に知られていない企業であったとしても自分自身の発展できる空間があれば考えも違って来ます。
発展空間のベースは「自分自身が成長できるかどうか?」
転職するために就職する人はいません。
また転職をするために転職をする人もいません。
長く働きたいと思っている中国の人は日本よりも多いという結果がある調査結果で出ています。
重要なのは個人の発展空間をしっかりと把握することです。
入社前はもちろん入社後も何を実現したいのか?
またどのようなキャリアデザインをイメージしているのか?
それをどうサポートできるのか?
本人と本音ベースで話をする機会を設け個人の「発展空間」を正確に把握することです。
発展空間とは仕事はもちろんですがどう生きたいのかというライフプランでもあるのです。