こんにちは。カイゼン研究会 宇賀です。
この連休を利用して内モンゴルのフフホトに行ってきました。
仕事でもなかなか行く機会のないところなので、
ほとんど前情報もなく行ったのですが、
タクシー運転手に聞くと、観光シーズンは6月~8月くらいで
実際、他の省に比べ連休なのに観光客が少ないことに驚きました。
運転手も
「なんでこの時期に来たんだ。。まだ寒いし、草原もあなたたちの想像しているような景色にはまだなっていないと思うよ。」
というようなことを言われながら移動していたので、ちゃんと調べておけばよかったなと着いてすぐに少し後悔したことを覚えています。笑
実際に草原に行ってみると、
モンゴルと聞いて想像していた緑が果てしなく広がった大草原ということはなく、冬のゴルフ場のラフのような感じで、一面に広がる黄色や茶色の芝に馬などが放牧されていました。
やはりまだ寒く最低3度くらいの気温で
現地でも長い冬が終わり、これから観光シーズンに向けて準備していこうという状況でして、オープンしたてのゲルやレストランには最近アルバイトとして雇われた新人がずらっとおり、手持ち無沙汰にうろうろしたり、やることがないので掃除したりと言いう様子でした。
その人たちに聞いてみると
観光シーズンが短いため、ガイドも含め観光専業でやっている人は少なく
3カ月くらいだけ民族衣装を着たりして、観光ガイドや草原でのレストランの手伝い、ゲルの運営などをするが、他の時期はワイマイの運転手などをして都市で働いているということでした。冬が寒いし長過ぎるので、観光客が夏しか来ないからということだそうです。
まあ、そんな状況でもやはり大自然の中で泊まるというのはなかなかできない貴重で楽しい経験でした。建造物など何もない中で果てしなく水平線が見え、空気もきれいで、電気の明かりもなく頭上180度すべてで星が見えるゲルに泊まり、みんなで火を囲みながら、民族舞踊や伝統音楽の演奏を聴きながらお酒を飲むというのは新鮮で、やはり来てよかったなと思います。
(山開きならぬ草原開きの初日で、今シーズン初の観光客だったのでトラブルも多く、宿泊したゲルではお湯が出ず、その日はシャワーを諦めました。)
その後、フフホトに戻り
中国乳製品メーカーの「蒙牛」の工場見学に行きました。
創業者は「牛根生」という方で苗字が牛です。
同じく内モンゴルで歴史のある乳製品メーカー「伊利」で副総経理だった牛さんが、独立したことでできた会社です。
1999年に創業し、わずか5年で上場するというスピード成長を見せます。
今では、「蒙牛」と「伊利」の中国2大乳製品メーカーとなり、2社で市場シェアの約50%を取っているほどです。
そんな「蒙牛」の工場見学に行ったのですが
すごく遊び心にあふれた工場というのが印象的です。
工場の外観は白と黒の牛柄に彩られており、
工場に入ってすぐに、牛柄の靴カバーが配られ
見学者の足元はすべて牛柄になります。
トイレもすべて牛柄です。笑
特にガイドが案内してくれるという訳でなく
工場の中に見学ルートがあり、それに沿って自分で歩いてみていきます。
ルートは工程ごとに説明が書いていますが、一番驚いたのは配膳ロボットのようなものがガイドしてくれるということです。ルート上にロボットが配置され、それが説明してくれます。
運ばれてきた原料乳が
予備加熱→均質化→殺菌→保持という工程順で
その後、製品によって味付けが変わるために分かれていきます。
そして、パック梱包→段ボール梱包→倉庫という流れです。
すべて全自動で、自動梱包機のところに紙パックや段ボールを補充する人がいるくらいです。コントロール室ではすべての工程の設備状況が大画面に表示され、それを管理者がずっと監視しており、先進的な工場です。
従業員が考えた見学者を楽しませる工夫が至る所にあり、工場の中でもAGVや梱包のためのアームロボットなどが牛になっていたり、会社の歴史だけでなく牛、牛乳、チーズの歴史やトリビアがルート上に書かれていたり、1時間ちょっとのコースですが楽しみながら見学できます。
ルート上には自動販売機が置かれ、工場の製品を食べながら見学できます。笑
工場の人に聞くと
自動梱包機の可動率が良くないことに困っているとのことで
たしかにその周りだけ、技術者や管理者が集まり、止まるとすぐに処置することができる配置になっていました。(その他の場所にはまったく人がいないのですが)
実際に牛がいて原料乳を取る牧場は別の場所にあるため、見ることができずに残念でしたが、写真での解説が展示されています。
最後には蒙牛製品のお土産売り場があり、ヨーグルトやアイスなどを買って見学終了となります。
見学する前は特に何の印象もない企業でしたが、見学後はスーパーマーケットやコンビニで蒙牛の製品を見かけるたびに、迷ったら選んでしまいます。
やはり良い工場を見学すると、製品に愛着を持ち、ファンになるきっかけになりますね。(ちなみにその後「伊利」の工場見学も行きました。)
今回は旅行記のようになってしまいましたが
遊牧民族の文化や歴史、現代の畜産業など、普段触れないことが多く新鮮な体験ばかりだったのでまた行きたいと思います。内モンゴルおすすめです。
最後までお読みいただきありがとうございました。